2024年に開催される、パリオリンピックで、唯一正式種目として新採用された「ブレイキン」
東京五輪で初めて導入されたIOCの新規則では、五輪開催都市は、その国で人気があり、大会の魅力を高めるスポーツを厳選し、大会への追加を提案することができます。
パリ五輪組織委員会は昨年、ブレイクダンス、サーフィン、スケートボード、スポーツクライミングの追加を提案し、IOCの最終審査の結果を待っていました。
IOCは新種目について、パリ五輪の既存の競技施設を使用することを実施条件に挙げており、若者へのアピールにつながるもの、あるいは男女平等の実現に役立つものを優先するとしています。
大会主催者側は、若い観客に人気のあるスポーツを取り入れたかったと述べました。
「ブレイキン」の発祥は、1970年代のニューヨーク。
ギャング同士の暴力事件が多発する中、有名なDJが、
命を落とす若者をもう見たくない
自分達の好きなもので競って優劣を決めなさい
と呼びかけたことがきっかけで生まれました
と解説するのが、日本オリンピック委員会のハイパフォーマンスディレクターとして、ブレイキン選手の育成に努める渡邊マーロック氏です。
「ブレイキン」がスポーツとして認知されるようになったきっかけは、2018年10月にブエノスアイレスで開催されたユースオリンピックで、追加種目として採用されたことです。
日本代表は、1対1の対戦で、河合来夢さん(当時17歳)が金メダル、
半井重幸さん(当時16歳)が銅メダルを獲得しました。
さらに、1位になった男子選手と最下位の女子選手、1位になった女子選手と最下位の男子選手というペアでの対戦でも、河合来夢選手が、ベトナム人男子選手と組み、金メダルを獲得しました。
一度も組んだことがない、国も違う選手がペアを組み、メダルを目指す、そんなおもしろいフォーマットが採用され盛り上がったことも、パリ五輪の種目に追加されることを後押ししました。
「ブレイキン」は、日本では「ブレイクダンス」という名前で知られてきました。
DJがかける音楽に合わせ、即興で踊り、技術やかっこよさを競うものです。
ストリートスポーツとしての認知度も年々向上していて、日本の若者にも絶大な人気で、すでに世界レベルの選手も複数存在しています。
「ブレイキン」について、調べてみました。
この記事を読んで分かること
「ブレイキン」とはどんなスポーツなのか
この記事を書いた人
5人の息子を育てながら、中学校の数学の教員を30年間続けました。
退職後、2023年3月に64歳で、ブログを始めようと思いたち、4月10日から公開し始めました。
学生時代は、ピアノ、バイオリン、お琴など音楽系の習い事をしていましたが、現在は、40代から始めた社交ダンス、退職してから始めたヨガなど、身体を動かすことにハマっています。夫と2人暮らし。
母と義母が健在で、時々介護のようなことをしています。
「ブレイキン」とはどんなスポーツなのか
ブレイカーたちは、いくつかの基本要素を組み合わせて自分のダンスを表現しています。
「ブレイキン」を構成する基本要素をリストアップしてみました。
トップロック
「トップロック」とは、「ブレイクダンス」における “立ち踊り” のことです。
ブレイカーが踊り始める時、まずは “立ち踊り“を導入として行い、フロアに入っていく、というのが1ムーブの基本的な流れになります。
“立ち踊り“で定型の動きをしなければならないというルールは一切なくて、「トップロック」を重視するダンサーほど創作的な表現をしたり、他ジャンルの動きを取り入れるケースもあります。
とはいえ、「トップロック」にも型となるベーシックなステップはあり、基本的にはそれらを組み合わせたり、アレンジすることをベースに動きを構成すします。
「トップロック」の時間は特に決められていませんが、通常、ブレイカーは、8カウント・1~2セットを「トップロック」に費やしています。
ブレイカーは、様々な「トップロック」のステップを繰り出し、立ちながら音楽に合わせられる才能とリズミカルなスタイルをアピールしていくのです。
「トップロック」のステップの例としては、インディアンステップやクロスステップなどが挙げられます。
これができるだけでも、カッコいいですね。
ゴーダウン
「ゴーダウン」とは、ブレイカーたちが、トップロックからフロアに移行するために “床に落ちる” 動きを指します。
「ゴーダウン」は、トップロックの流れを保ったまま行い、ダンス全体のリズム感をキープしていく必要があります。
「ゴーダウン」の例としては、ニードロップ、スピンダウン、フックドロップなどがあります。
フットワーク
「フットワーク」とは、ブレイカーlがフロアで、両手で支えながら、両脚を使って行う多種多様な “脚さばき” を指します。
ブレイカーが使っている基本的な「フットワーク」としては、6ステップ、3ステップ、シャッフル、キックアウト、CCなどがあります。
「ブレイキン」の「フットワーク」は、両脚と尻を使ったリズミックな回転系のムーブがメインですが、フロアを横切るような直線的なムーブや、非常に複雑なパターンを組み合わせたムーブも存在します。
フリーズ
「ブレイキン」の「フリーズ」とは、ブレイカーが “体の動きを数秒間止めるムーブ” のことを言います。
通常は、音楽が強拍を打ったり、ブレイクを迎えたりするタイミングに合わせて行われます。
それまで連続で繰り出していたコンビネーションムーブのラストに持ってこられることが多い、 “決めのポーズ” のことです。
難易度の高い「フリーズ」ほど、バトルの時などにポイントが高いです。
基本的な「フリーズ」としては、ベイビーフリーズ、チェアフリーズ、エルボーフリーズなどがあります。
トランジション
「トランジション」とは、ブレイカーがムーブからムーブへ移行する、またはフットワーク、フリーズ、トリック、パワームーブを組み合わせる時の “繋ぎ” の動きを言います。
美しい「トランジション」は非常にシームレスにダンスに組み込まれているため、ピンポイントで確認するのが難しいです。
ブレイカーは、そのような「トランジション」を駆使して、「ブレイキン」全体のダイナミックでスムーズなフロウを維持しています。
「トランジション」の例としては、スウィープ、プレッツェル、スピンなどがあります。
パワームーブ
「パワームーブ」は、最もダイナミックなブレイキンの基本要素です。
実は、「ブレイキン」の全ては「パワームーブ」になりえるのですが、基本的には、ブレイカーが “両手や肘、頭、背中、肩を使って連続回転するムーブ” を指します。
ひとつの「パワームーブ」を持続させてから、フリーズで終えるパターンと、複数の「パワームーブ」を組み合わせて、大きなフロウを生み出していくパターンがあります。
「パワームーブ」の例としては、ヘッドスピン、フレア、エアフレア、ウインドミル、1990があります。
トリック
「ブレイキン」の「トリック」とは、ブレイカーが、一般的なステップ、フリーズ、パワームーブに、 “特殊なアレンジを加えたムーブ” のことを指します。
「トリック」の例としては、エアチェアでのホッピング、ハンドスタンドを取り入れた連続エアフレア、ハンドホップとスレッドのコンビネーションムーブなどがあります。
フリップ
「ブレイキン」は、アクロバティックなダンススタイルなので、ブレイカーたちは、自分のダンスに「フリップ」やサマーソルトを取り入れて、そのダイナミックなイメージをさらに強めています。
「フリップ」とは、 “バク転とか側宙” とかのことです。
サマーソルトとは、体を前方または後方に転がす運動を指す英単語。全身を使って一回転する。具体的には、手足を使って地面から跳び上がり、空中で体を前後に転がす動作を指します。
パワームーブ、トリック、フリーズの前後に「フリップ」を入れるブレイカーは多いです。
まとめ
以上が「ブレイキン」の8つの基本要素について調べてみました。
いかがだったでしょうか。
これらを知るだけでも、これから「ブレイキン」を見る時に、興味が湧くのではないでしょうか。
初心者に向けてのレクチャー動画も載せましたので、やってみようと思う人も出てくるかもしれませんね。
実は、私もその一人です。
この年で(?)もちょっとやってみたい気分になっています。
これでオリンピックがますます楽しみになってきました。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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